防音フローリングの厚さは、商品によるが、数cm内外だ。
防音フローリングには、商品名に遮音等級が冠される場合が多い。
「L−45」や「L−50」といったふうである。
この場合、厚さが150inmのスラブの上に設置した場合を想定していることが多い。
つまり、「L−50」の防音フローリングをスラブ厚が150mmの上に設置すれば、軽衝撃音の遮音等級でL−50近くの性能が得られるということである。
当然、遮音等級が高い防音フローリングのほうが性能は優れているわけだが、表面が柔らかくなる傾向にある。
歩行感や質感も含めてチェックすることが大切だ。
いずれにせよ、床衝撃音は上から下への一方通行なので、基本的には建物構造で性能が担保された物件であることが重要だ。
設備機械音や流水音の対策は大丈夫?パイプシャフトに緩衝材は入っているかマンションの「音」は上階からの騒音だけではない。
上下階や隣戸と共有している給排水管から出る流水音が気になるという人も少なくない。
ほかの住戸で流した給排水管の音がなぜ、自分の住戸に伝わるのだろう。
給排水管は最上階から1階まで縦に貫通し、それぞれの階の住戸と結ばれている。
そして、これらのタテ管はパイプシャフトで密閉され、室内に音が漏れるのを防いでいるのである。
ところが、パイプシャフトを完全に空洞にしてしまうと、火災が起きたときに煙突の役目を果たしてしまう。
そこで、要所に遮断板の設置が義務づけられ、延焼を防ぐ仕組みになっているのである。
この遮断板を通じて音が居室内に漏れてしまうケースがあるのだ。
通常はその対策として、給排水管のまわりに緩衝材をつけて音が伝わりにくくしてある。
また、音の発生源である給排水管自体の音を小さくするために、給水栓や便器を節水消音型に改良したり、水流の圧力を下げる方法もとられている。
これらの対策が行われているかどうかをチェックしよう。
ときには、上階住戸の排水管がもろに下階住戸の天井裏を通っているケースがあるので、要注意だ。
機械室の壁厚を確認しよう機械室など、発音設備に隣接している住戸を買う場合は、機械室と住戸を隔てる界壁に一定以上の遮音性能があるどうかを調べておくようにしよう。
メーカーによって遮音対策は異なるが、界壁や床を厚くしたり二重構造にしたりしている。
このはかにも、騒音・振動が生じる機器類に防振ゴムなどの緩衝材(クッション材)を設置して、周辺に影響を及ぼさないような配慮が行われているかどうかを、モデルルームの担当者に聞いたり、図面で確認しておきたい。
設計図書で確認してみよう設計図書を見ながら説明を受けようそのマンションが音に強いかどうかは実際に住んでみて初めて分かるものである。
ところが、新築分譲マンションは建物が完成する前に売り出される図面売りが大半だ(青田売り・未完成売りともいう。
そうなると「住んでみる」どころか建物を見ることもできないのである。
モデルルームは、工事中の建物にある一部の住戸に内装を施してつくられる「躯体内モデルルーム」と、他所に仮設される「躯体外モデルルーム」のふたつに大別できる。
前者であれば実際に近い状態にあり、なかには模擬音を聞かせてくれる場合があるが、まだまだ少ない。
結局は販売事務所の担当者から説明を受けることになる。
このとき設計図書を閲覧しながら聞くと、より具体的で分かりやすい。
ここを見れば居住性能が分かる設計図書とはそのマンションの設計図面のことである。
モデルルームに備えつけられているのが普通だが、原本はとにかく膨大なので使用頻度が多い部分だけを抜粋してあることがほとんどだ。
スラブ厚が知りたいときは、矩計図を見ると分かる。
これは建物の断面構成が描いてあるので、同時に天井の高さや居室とバルコニーとの段差なども確認できる(図28-@)。
隣住戸との界壁を描いた図面もある(図28-A)。
双方の住戸の壁厚は別個に表示してあるケースが多いので、両方を足し算したのが壁の厚さになる。
フロアにある住戸すべてが載っている平面図。
隣住戸の間取り配置がどうなっているのかを、これでチェックしよう。
あまりないが、ときには自宅の寝室の向こう側かトイレや浴室になっていたりする場合があるので、要注意だ。
はかにも設計図書で分かることが数多いので、「難しそう」なんて敬遠しないで、担当者に積極的に閲覧を求めて説明してもらおう。
万一のとき防火対策は万全?高齢化社会の到来で被害急増の懸念消防白書によると年間1000人程度の人が火災が原因で死亡している(放火自殺者を除く)。
その半数が高齢者と幼児で占められている。
通常ならボヤ騒ぎですみそうなものでも、自分で消そうとして衣服に着火してしまった、判断を誤って逆に火の手を大きくしてしまった、自分ひとりの力では火事場から逃げ出せなかったなどが挙がっている。
この10年ほどは死亡者の数は横這いできているが、高齢化社会の到来に向けて死亡者の急増が懸念されているのである。
火災による惨事が起こっている場所は、住宅内がほとんどだ。
しかもこのなかには、マンションなどのように火災に強いとされる耐火構造の鉄筋コンクリート造の建物も、数多く含まれている。
木造の住宅でもマンションでも、室内に置いてある家具や調度品は同じ。
壁紙や木製ドアなどの内装材も、そう違わない。
マンションだから安心とはいえないのである。
むしろ、ひとつ屋根の下に多くの人々が壁や床・天井を隔てて暮らしている集合住宅では、他住戸の出火のとばっちりを受けないとも限らない。
火災に強いマンションを考えていくことにしよう。
・基本的構造は火災に強いはずだが……火災が起きると、炎は壁やカーテンなどを伝って天井へと燃え上がる。
室内は高熱となり、天井は一種の鏡のように高熱を反射して離れている家具などを燃やす。
出火から鎮火まで火災は大きく3段階に分けられる。
出火・延焼・鎮火である。
出火の初期段階ではまだ火の手が小さいので、自ら消火活動をすることも可能だし、消防署へ通報したり避難する多少の余裕がある。
この初期段階を延ばすことが延焼を食い止めたり、人命を守るために大切なのである。
このとき天井が燃えにくい材質でできているかどうかがポイントになる。
マンションの場合は天井の本体が鉄筋コンクリートでできているので燃えにくい。
だが、炎はちょっとした隙間を見つけ出して、そこから延焼の炎を上げる。
窓が開いていれば、そこから高熱を含んだ黒煙が吹き上がるのである。
このときに効果を発揮するのがバルコニーだ。
上階のバルコニーが防火壁の役割を果たして上の住戸に延焼しないように炎の侵入を防ぐのである。
こうしてみると構造上、マンションは火災に強い性能を持っているといえるわけだが、それを活かす仕組みができているかどうかがポイントになるのである。
安全を確保する3つの条件マンションの防火対策は、法律などで実に詳細で厳しく規制されている。
その中心になっているのが建築基準法と消防法だ。
消防法は、建物の建て方などを決めている建築基準法を補完するものだから、これをクリアしていないと建物自体を建てることができない。
したがって、違法建築物でない限り、マンションは火災に対して安全な住まいということができるのである。
では具体的にどんな取り決めがなされているのか。
6階から10階建て程度の一般的なマンションに適用されている代表的な規定を例に挙げて、述べていくことにしよう。
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